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【  2012年02月  】 

第29話

至高の魔女

2012.02.29 (Wed)

 「それにしても、あれほど探していた人物がこれほど近くに居たなんて・・・・・早く回復して頂きたですね。お会いするのが楽しみです。」アルクは本当に嬉しそうであった。「喜ぶのは早急すぎるだろう。まだそうと決まった訳ではない。それに・・・どうも決め手に欠ける気もするんだ。」「決め手・・・と言いますと?」「考えてもみろ? あれほどの聖職者を世界中に配置したんだぞ。大きな魔力の痕跡があれば必ず知らせが入るはずた...全文を読む

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第28話

至高の魔女

2012.02.28 (Tue)

 「なんてことでしょうねぇ・・・まったく」ルーチェの髪を梳きながらセーラさんは憤慨していた。「どうせ、森が消えた話をいち早く知って、皆に吹聴したいだけの不良に決まってますよ。今後はけっして関わってはいけませんよ。」戻ってきた俺達の姿を見たセーラさんは呆れたように口をぽかーんと開けていた。それから俺とルーチェを風呂場に連れて行き、ごしごしと洗ったのだった。「でも・・・そんなに悪い人には見えなかったわ。...全文を読む

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第27話

至高の魔女

2012.02.27 (Mon)

 アルクは執務室で1人仕事に励んでいた。めずらしくルドルフがやり残した机の上の山積みの書類を、1枚づつ丁寧に目を通していたのだった。あとはルドルフのサインさえあれば片が付く。どこかへ消えたルドルフの負担を少しでも軽減するべく作業を進めていたのである。行き先も言わず消えたのだから、城内を出ることはまず考えられない。こんな事は過去にも何度もあった事だ。前回は皇室の庭園で1人ポツンとなにやら考え事をしていた...全文を読む

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第26話

至高の魔女

2012.02.26 (Sun)

 先ほど買い物をした店に戻ると店主がルーチェに声を掛けて来た。「ほい。お嬢ちゃん忘れ物だよ。」そう言うとルーチェにカボチャを手渡した。セーラさんが袋に入れ忘れたのを取り置きしてくれていたようだ。「よかったぁ。ありがとう。」ほっとしたルーチェは微笑んで店主に礼を告げた。胸にカボチャを抱え、今度こそ帰路に向うのであった。『セーラさんも意外とうっかり者なんだなぁ』「タオったらそんな事を言うもんじゃないわ。...全文を読む

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第25話

至高の魔女

2012.02.25 (Sat)

 机の上に山ほど積み上げられた書類を前にルドルフは溜息をついていた。このところほとんど仕事は進んでいなかった。なんとか集中しようと筆は取るのだが、どういう訳かすぐに思考が他へ移ってしまうのだった。そうして終わるどころか、どんどん貯まっていく仕事にイラついてもいた。長年、側に仕えてきたアルクから見てもそんなルドルフの状態はめずらしいものだった。いつもなら行動的で決断の早いルドルフはサクサクと驚異的なス...全文を読む

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第24話

至高の魔女

2012.02.24 (Fri)

 その夜、アルバートさんはルーチェに星の話をいっぱい聞かせてくれた。「ねえルーチェ、星の動きというのはこの世界の人々にもいろんな影響を及ぼすもんなんだよ。一見なんの関係もないように思えるが、この世界の環境だって実は星の動きによってもたらされているんだよ。」「へえ。たとえば?」ルーチェは初めて聞く星の話しに興味を持ったようだ。「例えば、この世界には太陽が2つあるだろう? 双子星とも言われているが、常に同...全文を読む

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第23話

至高の魔女

2012.02.23 (Thu)

 「まったく、非常識よね・・・・」バララッタを口いっぱいに含みながらルーチェは、手にもったスプーンを置いた。すでに5つ目のバララッタを平らげていた。部屋には山ほどもある大量のバララッタが積まれている。これでも最初に持ち込まれた量の半分である。残りの半分は療養所の方に運ばれた。療養所の方でもきっと扱いに迷惑したであろう事は容易に想像できた。二人が消えてからほどなくして、大量のバララッタが届けられたのだ...全文を読む

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第22話

至高の魔女

2012.02.23 (Thu)

 ルーチェはパニックに陥っていた。この人達は・・・・森が消えた件で来たと言ったその言葉が頭の中を駆け巡る。やはり損害賠償だろうか?ルーチェの家はケイトと違って金持ちではない。その金額はイサンとマリアには重すぎるものだろう。ルーチェが大人になって働いたとしてもその一生を掛けても払い切れるものではないのではないか?そう思うと、おのずとルーチェの態度はおどおどしたものになっていくのであった。「どうぞこちら...全文を読む

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第21話

至高の魔女

2012.02.20 (Mon)

 その頃、セーラは城内の中庭に開かれた市場で、今夜の夕食に使われる食材を選んでいた。ふいに後ろからポンと肩を叩かれ振り向いた。メイド仲間のメリッサである。「セーラ、私昨日アルバート様がお嬢様とここを通りかかるのを見かけたわよ」「おや。そうなの?」「なんてすばらしい黒髪なのかしら。それにあの使い魔の黒猫も同じ漆黒の毛並みで。さすがはアルバート様の自慢のお嬢様だと皆で噂してたのよ。」「あら。あれはお友達...全文を読む

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第20話

至高の魔女

2012.02.18 (Sat)

 「例の件ですが、昨日どうやら療養所を出て住居の方へ移動したようです。」机に積まれた大量の書類に、目を通してサインを繰り返していたルドルフはアルクの報告に手を止めた。そして優雅な仕草で頬にかかるその白銀の髪を掻き揚げた。「意外と回復が早かったんだな。」「1人はまだ療養所の方にいるらしいのですが。昨日アルバートの後ろを黒髪の少女と黒猫が、付いて歩いているのを城内の者が何人も目撃しています。」アルクは淡...全文を読む

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第19話

至高の魔女

2012.02.17 (Fri)

 カラスが乱した部屋をメイドが片付けるのを待って、俺たちはようやくソファに落ち着いてティータイムを楽しんでいた。入ってすぐのこの部屋にはシンプルで必要最小限の家具しか置いてないが、質のよさそうな大きなテーブルと椅子が設置され快適な居間になっているようだ。「ねえアルバートさん。どうして九官鳥なのにカラスなの?」ルーチェの質問はしごくもっともだ。俺も聞いてみたいもんだよ。「いやー、まだ子供だったんでね。...全文を読む

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第18話

至高の魔女

2012.02.16 (Thu)

 フリートが夢だった? そんなはずはない。絶対になにかが変だ。でも誰も俺の言う事をまともに聞いてはくれなかった。記憶もない知らない人の話なんてそんなものなのかもしれない。ケイトはどうなんだろう? 意識が戻ってもやはり皆と同じなのかもしれない。俺の記憶の中にだけフリートは存在した。でも何故なんだ?俺はあの日の事を思い出そうとした。あの夜、俺は腹が減りすぎてよく眠れなかった。そう。夕食ぬきの罰をくらった...全文を読む

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第17話

至高の魔女

2012.02.16 (Thu)

 俺が目覚めた時、そこは白いカーテンに仕切られたベットの上だった。ベットから少し離れたところにソファが置いてある。薬品の匂いが充満するそこは医療機関であることはたやすく判断できた。隣にはルーチェがすやすやと眠っていた。穏やかな寝息、整った呼吸を確認して俺は安堵した。少しやけどはしたようだが、全体的に大きな傷はなさそうだ。俺はルーチェにすり寄るとその匂いを堪能した。甘くてどこかなつかしい大好きなルーチ...全文を読む

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第16話

至高の魔女

2012.02.16 (Thu)

 ルーチェの父親イサンは村で唯一のペットショップを営んでいた。ペットショップと言っても、大きな町で取引される様な高価な動物は置いてない。この小さな村には、魔法使いなどそう多くはいない。高価な使い魔用の動物など、そうそう売れるものではない。ほとんどが、自作自農のこの村ではネズミ避けの猫や番犬などの普通のペットが売れ筋なのだ。きっかけはイサンがまだ少年の頃、3匹の捨て犬を拾った事だ。なんとか貰い手はない...全文を読む

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第15話

至高の魔女

2012.02.15 (Wed)

 初めて出会った日、黒猫はまだ少女の両手にすっぽりと納まってしまうほどの大きさだった。自分と同じ、真っ黒の瞳で見つめられた時はきらきらと輝いて美しいと見とれてしまった。「私はルーチェよ。今日から一緒に暮らすのよ。私がお母さんになってあげる」真っ黒な髪と瞳は私と同じだ。うん、お母さんに違いない。黒猫は嬉しくて「みゃぁ~」と鳴いた。「ミーア! あなたの名前は今日からミーアよ!」やっぱりルーチェのネーミング...全文を読む

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第14話

至高の魔女

2012.02.13 (Mon)

 朝日のまぶしい空を舞うように、真っ白な鷹が飛んでいた。広い範囲を旋回して、その鋭い目に地上の姿を映しだす。そこには何もなかった。草ひとつなく、ただどこまでも茶色い土が続いているだけだ。そこは、つい昨日までは緑豊かな森であったはずだ。広い範囲に燃え広がった炎に包まれた森ではあったが、もちろん燃え尽きたのではない。その証拠に焼け焦げた小枝一本も残っていなかった。そう。森が消えたのである。大きな森であっ...全文を読む

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第13話

至高の魔女

2012.02.12 (Sun)

 ケイトは意を決して呪文を唱え始めた。ミーアが毛を逆立ててそれに答える。しかしケイトは昼間あれだけの魔力を使って消耗している。迫り来る黒煙をなんとか押さえてはいるが、炎まではなかなか押さえきれてはいないようだ。炎は一進一退を繰り返しながら、それでもじわじわ輪を縮めるようにして迫ってきている。『ルーチェ! 何をしているんだ!』俺は毛を逆立てて準備はできている。「でも・・でも私、今まで失敗ばかりだもの・・...全文を読む

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第12話

至高の魔女

2012.02.11 (Sat)

 クックゥー・・・・聞きなれた鳴き声にフリークは振り向いた。白鳩はスイーッと旋回するとパタパタとフリークの肩に止まった。フリークはテントから距離をとった森の木陰に立っていた。「それで帝都での動きは?」『まだ何も気づいてもいない様子・・・』「そうか。しかし油断はするな。」『ぐずぐずしているのは危険だ。』「ふふふっ・・そうだな。昼間は少し甘く見すぎたようだ。しかし、ここは逃げ場もない。もうケリがついたよ...全文を読む

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第11話

至高の魔女

2012.02.10 (Fri)

 夕方になって、俺たちは森の中ほどで周りの木々を利用してテントを張った。フリークは今夜の食事作りに忙しそうだ。昨夜の町で買い込んだ材料でシチューを作っている。シチューが出来るまで、俺たちはしばしの休憩だ。ケイトとミーアは昼間の疲れが出たのかテントで休んでいた。あれだけの魔力を使った後なのだから当然だろう。テントから少し離れた切り株にルーチェは座っていた。そしてひどく落ち込んでもいた。「ねえタオ、私何...全文を読む

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第10話

至高の魔女

2012.02.09 (Thu)

 道の半分も塞ぐ落ちてきた大きな岩石、なぎ倒された大木・・・・辺りの景色はさっきまでと一転していた。どれくらい時間が経ったのだろう・・・・ハアハアと息をきらしてフリークと御者が走って来た。急いで谷を駆け上がってきたのだろう。砂煙の中、2人は目をこらす。ケイトとルーチェが抱き合うようにそこに佇んでいた。そこだけ何もなかったかのようにしーんと静まり返っていた。落石は俺たちの周りだけを避ける様にして落ちた...全文を読む

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第9話

至高の魔女

2012.02.08 (Wed)

 2日目 空は晴れ上がっていた。宿で朝食を取った一行はさっそく馬車に乗り込み出発した。昨夜はゆっくり休養をとったおかげか、ルーチェもケイトもすっかり元気をとりもどしている。確かに馬車にも慣れたのか、山道を走っているというのに、昨日までとうって変わって2人とも余裕があるようだ。フリークも加わっての馬車での3人の会話もはずんでいる。「ねえフリークさん。今夜の宿も大きな町なんですか?」ルーチェはまだ昨日の町の...全文を読む

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第8話

至高の魔女

2012.02.07 (Tue)

 1日め 最初は馬車の中ではしゃいでいた2人も慣れない馬車で揺られ続け、すっかり酔ってしまったようだ。ようやく宿に着いたのはもうもうじき日が落ちようとしていた頃だった。「2人とも大丈夫ですか?」フリートはそんな2人をかいがいしく介護していた。やっと馬車から降りてベットに移動する事が出来て少しは楽になった様だ。「かなり予定より遅れてしまいましたね。本当はもっと早く着くはずだったんですけれどね。」「本当に迷...全文を読む

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第7話

至高の魔女

2012.02.06 (Mon)

 それからあわただしく長い旅の準備が整えられ、出発の日が迎えられた。その日、ルーチェの両親とケイトの母親も見送りに来ていた。「しばらく会えないなんて・・・ルーチェ 父さんは寂しいよ」「ケイトのお父様に迷惑をかけない様にね。自分のことは自分で出来るわよね?」「父さん、ほんのしばらくの間じゃない。母さんも心配症なんだから」ルーチェは心配する両親をなだめつつ笑顔を向ける。少し離れた場所でケイトも母親とのし...全文を読む

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