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【  2012年01月  】 

第6話

至高の魔女

2012.01.31 (Tue)

 翌日ルーチェはルシア先生の部屋へ呼び出された。いよいよ最後の望みすら打ち消される告知かとルーチェは泣きそうな顔をしていた。コツコツ・・・・ドアをノックすると中からルシア先生がドアを開け、ルーチェを招き入れた。ドアが閉まる瞬間、俺はするりと部屋の中にすべり込んだ。ルシア先生はルーチェやケイトの担任でこの学園の学園長でもある。見た目は30代そこそこにしか見えないが、魔女の年齢はわからない。ルーチェが物心...全文を読む

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第5話

至高の魔女

2012.01.31 (Tue)

 この世界は魔力を持つ者と普通の人間が混在している。ルーチェの両親も普通の人間である。普通の人間から魔力を持つ者が生まれるのはこの世界ではかなりの確率であるのだ。なので別にめずらしいことでもなんでもない。但し、その能力の差は天と地ほどにある。日常生活の中でほんのちょっと便利だなと思える程度の魔力からそれこそ召還や瞬間移動が出来る者までさまざまである。よってこの世界では、その能力によって仕事も結婚も左...全文を読む

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第4話

至高の魔女

2012.01.31 (Tue)

 俺が戻ると部屋は元どおり綺麗になっていた。床や壁、カーテンにいたるまでベッタリとカボチャが塗りつけられたような悲惨な状態はかけらほどもない。爆発の勢いで倒れたイスやテーブルにいたるまで、完璧なまでに元どおりに復元されていた。もちろん、魔法で復元したのなら一瞬の作業だろう。「ケイト本当にありがとう。ケイトが手伝ってくれなかったら、この部屋はこんなに早く綺麗にはなってなかったわ」申し訳なさそうに肩を落...全文を読む

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第3話

至高の魔女

2012.01.30 (Mon)

 丹念な毛づくろいもようやく終わりかけた頃、音もなく近づいて来た奴がいた。黒猫のミーアだ。首には高級そうな赤いリボンを付けている。なにかと血統書付きなのを自慢するお高く止まった嫌なメス猫だ。俺はこいつが苦手だ。いつもなんだかんだといちゃもんをつけてくる。おれより1年ほど早く生まれたらしいが子猫の頃はよくいじめられた。理由は「嫌いだから」らしい。今じゃ俺のほうがでかいので、そうそういじめられる事はない...全文を読む

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第2話

至高の魔女

2012.01.30 (Mon)

 ここは帝都から遥か東に位置する小さな村だ。村の中にある唯一の魔法学園なのである。木造でかなり旧式な作りなのではあるが、誰も不便を感じることはない。なぜなら、教師から生徒に至るまで全員が魔法使いなのだから温度管理や照明など、設備などなくてもすべて自分で快適な環境を作れるのだから。窓から飛び出した俺はするりと雨どいを伝って日当たりのいい屋根の上へ着地した。ここは俺のお気に入りだ。学園の全体も見渡せるし...全文を読む

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第1話

至高の魔女

2012.01.29 (Sun)

 あれほど長く続いた飢えと寒さも今はなにも感じなかった。もはや体の感覚はない。ピクリとも動かぬ体ではあったがその無垢な瞳だけは閉じられてはいなかった。倒木の隙間から明るく照らす月だけを見ていた。あとはただその瞳を閉じれば楽になれるというのに、まだ死の概念もない子猫の生への執着は本能なのかもしれない。ガサッガサッ・・・・自分へと近づいてくる落ち葉が踏みつけられる音にわずかに耳が動いたがそれだけだった。...全文を読む

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プロローグ

至高の魔女

2012.01.29 (Sun)

 北の夜空のかたすみに突然、明るく光る赤い星が現れた。まるで新しい星が生まれたようにそれから十日間赤い星はどんどん明るくなっていった。しかし、それは、星の誕生ではなく、死の瞬間のきらめきなのである。永遠と思われるほど永くそこに存在した星はその最後をひときわ美しく、まるでキャンパスを描くように長く尾を引く無数の流星群でその夜空を飾った。星の死を意味する爆発の結果、また新しく生まれる星へと未来へ向かって...全文を読む

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